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住宅ローンの特例


民事再生(個人再生) 住宅ローンの特例

住宅資金特別条項について紹介します。

昨今、住宅ローンの滞納が多くあるそうです。
原因はやはり不況。
ボーナス払いのある住宅ローンなのにボーナスがカットされてしまった。
住宅ローンを払うために消費者金融から借りていたが、もう借りれなくなった。
そんな状態にある方も多いと思います。
滞納が長期に及ぶと、保証会社による代位弁済を経てマイホームが競売にかかってしまいます。
競売にかかってしまってもすぐに退去しなければならないわけではありませんが、いずれは退去の 日がやってくることに変わりはありません。
しかし、マイホームが競売にかかってしまう前であれば、民事再生手続の「住宅資金特別条項」を使って マイホームに住み続けることができることが多くあります。
住宅ローンの滞納が1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と進んでいくうちに、マイホームを残せる可能性が どんどん小さくなってしまいます。
せっかく一家の拠点として購入したマイホームです。競売なんかで失ってはもったいない。
早めの行動があなたのマイホームを残す最良の手段です。
ぜひお早目にご相談下さい。

住宅資金特別条項とは
「借金の一部免除をして欲しいのですが、住宅ローンだけは免除なしで今まで通り払わせて下さい。」
と、
民事再生の手続上で申し出をして認めてもらうことです。
要件がいくつかあるのでこれらをクリアする必要があります。

 

  【民事再生の住宅ローン特別条項が認められる要件3つ】

要件① 住宅であること。
その家に住んでないといけません。
ただし、単身赴任で一時的に住民票を移している場合で、いずれはその家に戻ることが明白な場合は、住民票がその家になくても、その家が「住宅」であると認めてもらえます.

要件② 住宅ローンであること
当然ですが、住宅ローンでなければなりません。
諸費用ローンは住宅ローンの一部と扱ってもらえます。

要件③ 住宅ローン以外の抵当権がついていないこと
不動産担保ローンで消費者金融からお金を借りると、

1番抵当権 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の住宅ローンの担保
2番抵当権 銀行の住宅ローンの担保
3番抵当権 消費者金融の借入の担保

となります。
この状態だと住宅資金特別条項が使えません。
不動産担保ローンの融資額は数百万円と魅力的な数字なのですが、後々のことを 考えると、踏みとどまることも検討しなければなりません。

以下、もう少し詳細にご案内致します。
<要件① 住宅であること>
住宅資金特別条項にいう「住宅」とは、以下の4要件を満たすものでなければなりません。

ア、個人である再生債務者が所有する建物であること
イ、再生債務者が自己の居住の用に供する建物であること
ウ、建物の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されること
エ、上記ア~ウの要件を満たす建物が複数ある場合には、これらの建物のうち、再生債務者が主として居住の用に供する一の建物であること

 ア「個人である再生債務者が所有する建物であること」についての補足

・「所有」には共有も含まれます。配偶者や親族との共有の住宅だからといって利用できないということはありません。
・「建物」はマンションでも一戸建てでも大丈夫です。

 イ「再生債務者が自己の居住の用に供する建物であること」についての補足

・投資用の家で人に貸している場合などはその住宅を守るためには住宅資金特別条項は使えません。生活の基盤である家を守るというのがこの制度の趣旨であるからと言われています。
・単身赴任で一時的にその家以外のところへ住民票を移している場合でも、いずれ家に戻ることが明白な場合は住宅ローン特例が使えます。

 ウ「建物の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されること」についての補足

・事務所兼自宅の場合は、事務所として利用している部分よりも住居として利用している部分の方が広いことが住宅ローン特例利用の条件です。
・二世帯住宅の場合は、民事再生の申立をする方が居住するスペースがその住居の2分の1以上であることが住宅ローン特例利用の条件です。
・事務所兼自宅の場合や二世帯住宅の場合は、建物の床面積の2分の1以上を専ら自己の居住用に供していることを示すためにお家の図面や陳述書が必要になりますが、詳細な図面を専門家に作成してもらうことまでは必要なく、自作の図面や陳述書で差し支えありません。

 エ「上記ア~ウの要件を満たす建物が複数ある場合には、これらの建物のうち、再生債務者が主として居住の用に供する一の建物であること」の補足

・居住用建物を二つ以上お持ちの方でも、住宅ローン特別条項の利用ができるのはそのうち一つの建物のみです。
・自宅の他に別荘(セカンドハウス)をお持ちである場合は、自宅のみを残せることになります。

<要件② 住宅ローンであること>
住宅資金特別条項にいう「住宅ローン」とは、以下の4要件を満たすものでなければなりません。

ア、住宅の建設又は住宅及びその敷地の購入に必要な資金、又は住宅の改良に必要な資金の貸付であること
イ、分割払いの定めがあること
ウ、当該ローン又は当該ローンの保証会社の求償権を担保する抵当権がついていること

ア「住宅の建設又は住宅及びその敷地の購入に必要な資金、又は住宅の改良に必要な資金の貸付であること」の補足

・住宅の敷地が借地権であっても住宅資金特別条項は利用できます。

以下、少し複雑な話ですが、最近では定期借地権の住宅も増えていますので、定期借地権について補足します。
定期借地権の場合は、家の所有者が地主に預ける保証金の返還請求権を担保するために、家の所有者を債権者、地主を債務者とする抵当権を付けることが多くあります。
この場合、銀行はその抵当権の債権(保証金返還請求権)に質権を設定して登記します。
おそらく事例はあまりないので、当事務所でもこのパターンの住宅資金特別条項付の民事再生のお手伝いをしたことはないのですが、理屈からすればこの場合も利用が認められて然るべきかと思います。

・住宅ローンの借り換えをした場合でも住宅資金特別条項は利用できます。
ただし、再生委員によっては、借り換え時の借入金額・弁済金額について詳細な書類を求めてくることが、ごく稀にあります。
・「住宅の改良」には増改築やリフォームが含まれますので、リフォームローンの場合も住宅資金特別条項は利用できます。

ウ「当該ローン又は当該ローンの保証会社の求償権を担保する抵当権がついていること」の補足

・銀行が窓口になって借り入れた住宅ローンであれば、ほとんどの場合この要件は満たしています。
・抵当権が設定されていることが要件ですので、勤務先からの借入で家を建てた建設会社からの借入で抵当権が設定されていないものは住宅ローン特別条項は利用できません。

 

<要件③ 住宅ローン以外の抵当権がついていないこと>

・住宅ローン以外の抵当権がついている場合の代表例は、消費者金融の大口借入、銀行のおまとめローン、事業用借入の担保です。これらの担保がついている場合は住宅資金特別条項の利用ができません。
・住宅購入時の諸費用ローンの抵当権がついている場合でも、これを住宅ローンの一部と取り扱う裁判所が多いので、諸費用ローンの抵当権がついていても住宅資金特別条項の利用はできます。
(2011年8月現在、東京地方裁判所立川支部では、このように取り扱って頂いております。)

 

  【住宅資金特別条項の内容】

①民事再生申立時点で住宅ローンに滞納がなければ、そのまま約定どおり支払う「そのまま型」になります。

実務上は住宅ローンだけは滞納していない方が多いので、「そのまま型」の住宅資金特別条項が圧倒的に多いです。

②民事再生申立時点で住宅ローンの返済が遅れている場合は以下の4種類の中から選択します。

ア 期限の利益回復型
イ 弁済期間の延長型
ウ 元本一部支払猶予型
エ 同意型
ア~エの内容は本当にケースバイケースです。

概要は「住宅ローンの支払いの遅れを一定期間で取り戻す案を作成する」ということなのですが、どのような案であれば無理なく支払えて、銀行も納得するのか、については個々の案件ごとに検討しています。
ご相談時点で住宅ローンの支払に遅れがある場合は、民事再生申立前に住宅ローン債権者(銀行)との協議が必要です。
住宅金融支援機構などは定型の事前協議書を持っているので、原則として書面と電話のみでやり取りをしてくれます。
事前協議もお手伝いできることはたくさんありますので、お気軽にご相談下さい。

住宅資金特別条項でマイホームを守りましょう。
ぜひお早目にご相談下さい。


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